東京大学 2019年度S-セメスター 水曜日5限目
教員名:Hermann Gottschewski
連絡先:gottschewskiアットfusehime.c.u-tokyo.ac.jp
科目名:比較文化論
テーマ:西洋音楽の演奏解釈史1-録音以前
授業の目的
主な内容
各週の講義の内容と資料(順次にアップする)
04月17日
04月10日 ガイダンス・全体の概要
04月17日
音楽史の中で見るベートーフェンと「演奏解釈」
授業資料 PDF ワード(docx)
関連リンク ベートーフェンの4番のピアノソナタの楽譜
同時代のピアノを使った録音
ヴェーゲラーとリースの『伝記ノート』
シンドラーの『ベートーフェンの生涯』
チェルニーのピアノ教則本作品500第四巻より
マルクスのベートーフェン伝記より
マルクスの演奏指導より
レンツのベートーフェン芸術論より
ノッテボームの第二ベートーフェニャーナより
04月24日
04月27日(土曜日)
授業資料 (Schindler, ベートーフェンの演奏について、ドイツ語) (日本語、jpg、注意:141.7MB!) (日本語、pdf、25MB!)
註1 日本語のPDFを新たに作成し、5月3日に再びアップしました。今回は問題なく開くことができると思います。
註2 ドイツ語と日本語を並べて勉強できるために、ドイツ語の資料には日本語訳のページ数、日本語訳にはドイツ語の原文のページ数を追加しました。
05月08日
05月15日
関連ヴィデオ シンドラーの演奏論について(第10番のピアノソナタの第一楽章を中心に)
関連楽譜 ゴチェフスキがシンダラーの演奏法についてのコメントを普通の演奏記号に変えて記入した楽譜
05月22日
19世紀のバッハ受容と演奏史 その一:平均律の出版譜から見る19世紀の「素人」のバッハ演奏(第1巻第12番のフーガを事例に)
参考録音 チェルニー時代のピアノで演奏されるバッハ『平均律クラヴィーア曲集』のイメージ(youtube)
楽譜資料 (様々な楽譜はimslp.orgにありますが、以下はそこから選択・抜粋したもの。)
バッハの自筆譜 この自筆譜は19世紀に知られていなかった可能性がある。他の18世紀の写本は上記のimslp.orgを参照。
バッハ協会のエディッション 19世紀のバッハ全集(学術的出版物、この巻は1866年出版)
いわゆる「チェルニー版」 チェルニー版は1837年(?)に出版されたが、こちらはロイチュによる改訂版(1863出版?)。
演奏法に関わる記号は初版にほぼ同じだと思われる。
いわゆる「ブゾーニ版」 ブゾーニ版の初版は1894年。ここ出しているのは1916年(?)の再版。
06月05日・06月12日
19世紀のバッハ受容と演奏史 その二:オルガン作品のピアノ編曲から見る19世紀の「ヴィルトゥオーソ」のバッハ演奏
19世紀で「バッハの長男ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのオルガン協奏曲イ短調」と思われた作品
(実際にはヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲をヨハン・ゼバスティアン・バッハがオルガンのために編曲した作品。
ただしこの事実は1911年に初めて証明された。)
ヴィヴァルディのオリジナル(1711年出版) 楽譜(現代版) 推薦録音
J.S.バッハのオリジナル(ヴァイマル時代作曲) 自筆譜 楽譜(現代版) 1844年の初版 推薦録音
19世紀のピアノ編曲 楽譜 連弾 (1858) ピアノソロ (Golde, 1865?) 人気のStradal版 二台のピアノ (Stradal) Murdoch版 (1927?)
録音 Stradal版による演奏(Alfred Cortot)(ただし一部は自己流に変更) Murdoch版による演奏
Stradal版の序文の和訳
VivaldiからBachへ、BachからPlatoの連弾版へ(楽譜の比較)
Vivaldi, Bachと四つのピアノヴァージョンの変化
06月19日
19世紀のバッハ受容と演奏史 その三:19世紀後半のオルガン作品の演奏の変化。前奏曲とフーガロ短調(BWV 544)を事例に
楽譜資料 (一部はimslp.orgから選択・抜粋したもの。)
バッハの自筆譜
バッハ協会のエディッション 19世紀のバッハ全集(学術的出版物、この巻は1867年出版)
Karl Straubeのエディッション J.S. Bach Orgelwerke Bd. II (Peters, 1913年出版)より
新バッハ全集によるのエディッション
参考録音 Chapuisによる演奏 (バッハ時代のオルガン、1960年代後半の演奏、youtube)
同上、楽譜付き(ただし音程が全音下げられている!!)
Koopmanによる演奏(バッハ時代のオルガン、1994の演奏、youtube)
ベルリン大聖堂のSauerオルガン(1905)で、Karl Straubeのエディッションを使った演奏
授業で聴く録音の出版情報
06月26日
R. ヴァーグナーと古典音楽の演奏(1869〜70年の著作「指揮について」を中心に)
歴史資料 Neue Zeitschrift für Musik (『新音楽雑誌』)に1869年11月26日から1870年1月21日まで連載された初出論文
1870に単著として出版された『指揮について』(主にこれを授業で使う)
日本語訳(パスワードを授業で案内する)
07月03日
6月26日の続きで話するが、授業で聴く予定の音源は以下の通り。
モーツァルト、ドン・ジョヴァンニ序曲
ベートーフェン、交響曲第三番(Mengelberg、1942年)
演奏比較 ベートーフェン ヴァイオリン・ソナタ作品47(クロイツェル)の第二楽章、主題と最初の変奏(楽譜はこちら)
HubermanとSchultzeの録音 (1925)
ThibaudとCortotの録音 (1929)
OistrakhとOborinの録音 (1957?)
授業の締めくくりとして
Arthur Nikischによるベートーフェンの交響曲第五番の録音(1913年、ベルリンフィルとともに。)
この録音は一つの交響曲全体を録音されたものとして最初だと言われている。
Arthur NikischはHans von Bülowの後任として1895年にベルリンフィルの常任指揮者となった。
彼は同時にライプツィヒのゲヴァントハウスオーケストラの常任指揮者を兼任し、当時もっとも権力を持つドイツの指揮者だったと言えよう。
Wagnerの指揮論の中でヴァーグナーの代表的な「後継者」として名付けられたvon Bülowの演奏とその後任であるNikischの演奏はどこまで
類似性があったのか分からないが、Nikischの録音で聴くテンポの変化はWagnerの主張するところに近いと考えられる。
この録音を授業の締めくくりとして選んだ理由は、A-セメスターで『音楽論』で中心に話す予定の「録音以後の西洋音楽演奏史」への橋渡しとしての機能も果たすからである。
07月10日 繰り上げ試験
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