東京外国語大学 2014年度秋学期 金曜日5限目
   教員名:Hermann Gottschewski
   連絡先:gottschewskiアットfusehime.c.u-tokyo.ac.jp
   科目名:総合文化研究入門A
   テーマ:西洋音楽の文化史―ドイツの音楽を中心に

授業の目的
音楽史を書く人は、史実の発掘と従来の歴史認識の確認から音楽史の記述まで、どういう問題意識を持ち、どのような研究をしているのだろうか。この授業はただひとつの音楽史を語るのではなく、さまざまな音楽史の可能性を考えることを目標としている。「音楽は文化の現象であり、歴史の中で解釈しなければならない」というのがこの授業での基本的な主張である。音楽史はただ音楽作品を時間的な順番に並べたものではない。それぞれの時代で音楽の社会的な位置、そして音楽を作ったり、楽しんだり、教えたり習ったりする人々の様子は変化する。音楽史では曲そのものよりも、その曲がどのように演奏され、どのように利用され、どのように解釈されたかの方が問題となることもしばしばある。この授業で「ドイツの音楽を中心に」と主題を限定したのは便宜のためである。そのような限定がなければテーマがあまりにも広すぎて、15回の授業で扱いきれないからである。ただし授業での話はドイツの音楽文化に限定されず、ドイツの音楽が世界音楽の中でどのような位置を占め、どのような外国音楽がドイツに取り入れられ、そしてドイツ音楽がどの様に(日本を含めて)外国で受容されたかについても焦点を当てる。つまりこの授業での「ドイツの音楽」は必ずしも「ドイツ文化の中の音楽」に限られず、「ドイツに起源を持つ世界の文化の中の音楽」という意味になる。この議論のかたわらでドイツの文化史・社会史・政治史も多く扱われることになる。

授業の概要
それぞれの授業ではひとつの「観点」を中心にし、多様な音楽史の種類を紹介する。できる限り授業の中で代表的な作品を紹介し、それを鑑賞する時間を設け、歌曲を扱うところでは皆で歌う場合もある。それぞれの授業の「観点」は焦点が徐々に古い時代から新しい時代へ進むように並べられているが、多くの観点が長い歴史への広い視野を広げるので、究極的には毎回音楽史全体を扱うということもできる。

勉強する方法
各授業で次回の授業の資料を出すのでそれを予習してから授業を受けて下さい。万一授業を欠席した場合にはできる限り資料を友人などから手に入れて下さい。それが不可能な場合は授業のホームページから資料を自分でダウンロードして印刷して下さい。ただし著作権の都合でネットに出せない資料もあります。

最新データが表示されない場合は一度リロード(再読み込み)してみて下さい



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