純音から合成された音で、部分音の空圧関数を
y=a/k*sin(t*k*f*2*pi())
(y=空圧差、a=全体の振幅、a/k=部分音の振幅、t=経過時間、f=基本周波数、k*f=部分音の周波数、k=部分音の番号)
とすれば、k=1からk=∞までの部分音を足せば、結果の波形は基本周波数の「のこぎり波」になる。無限の部分音を足した理想的な形は技術的に不可
能だが、下からある程度多くの部分音をこの様に足せば結果の波形はそれに近い形になる。しかしこの「のこぎり波」を純音からの合成で得るためには、それぞ
れの純音の周波数と振幅のみならず、その位相(phase)も上記の方程式の通りになっていなければならない。位相をランダムで変えると、のこぎり波と全
く別の波形になり、耳で聴こえた場合にも「のこぎり波」の効果とかなり異なる場合がある。この実験によって、位相も音色にかなり大きな影響を与えることが
あるという事実を証明することができる。
合成でそれぞれの部分音を若干変えることによって、音を聴きながら位相の変化を体験できる。今回の実験では基本周波数を100hzにし、それぞれの
部分音の周波数に(0.04n+0.01)hz
(nは-4と+5の間のランダムの整数)の価を足した。この式を使うことによって、足された価が0.01の倍数なので、位相が100sで元の価に戻る。ま
た、(0.04n+0.01)という公式を使う事によって、25sしてから全ての部分音の位相が波長の四分の一、50sしてから波長の半分、75sしてか
ら波長の四分の三程度左に動いたことになるので、それらの時点でも位相がランダムではなく、典型的なパターンを示す事になる。つまり、100sしてから結
果の波形が完全にもとに戻るが、50sしてからは丁度逆さにした形になるということである。
具体的にこの実験では1から64までの部分音を使い、使って周波数は以下の通りである。
100.05hz, 200.13hz, 300.01hz, 399.89hz, 500.17hz, 600.21hz,
699.85hz,
800.09hz, 900.01hz, 1000.05hz, 1100.09hz, 1199.97hz, 1300.05hz,
1399.89hz,
1500.17hz, 1599.89hz, 1700.05hz, 1800.21hz, 1900.21-1999,97hz,
2099.89hz,
2199.93hz, 2300.01hz, 2399.93hz, 2499.93hz, 2600.05hz, 2700.17hz,
2800.01hz, 2899.93hz, 2999.93hz, 3100.09hz, 3199.97hz, 3300.17hz,
3400.01hz, 3499.93hz, 3600.01hz, 3700.01hz, 3800.13hz, 3900.01hz,
4000.05hz, 4100.09hz, 4200.17hz, 4300.05hz, 4400.01hz, 4499.85hz,
4600.21hz, 4700.21hz, 4800.09hz, 4900.09hz, 5000.17hz, 5099.89hz,
5200.21hz, 5299.93hz, 5400.05hz, 5500.21hz, 5600.01hz, 5700.09hz,
5800.01hz, 5900.09hz, 5999.93hz, 6100.17hz, 6199.89hz, 6299.89hz,
6400.05
この様に位相がずれることによって波形がどの様に変化するかは、下記の画像では1から32までの部分音を足した場合に0.5sごとにしめした。
0s〜4.5s (pdf)
5s〜9.5s (pdf)
10s〜14.5s
(pdf) 15s〜
19.5s (pdf) 20s〜24.5s
(pdf) 25s〜
29.5s (pdf) 30s〜34.5s
(pdf) 35s〜
39.5s (pdf) 40s〜44.5s
(pdf) 45s〜
49.5s (pdf) 50s〜54.5s
(pdf)
以下は音声ファイルである。それぞれ100秒のファイルだが、25秒、50秒、75秒の時点に注意しながら聴いて下さい。
1〜8の部分音 |
mp3 | wav |
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1〜16の部分音 | mp3 | wav |
1〜32の部分音 | mp3 | wav |
1〜64の部分音 | mp3 | wav |
9〜16の部分音 | mp3 | wav |
17〜32の部分音 | mp3 | wav |
33〜64の部分音 | mp3 | wav |