東京大学 2018年度A-セメスター
   教員名:Hermann Gottschewski
   連絡先:gottschewskiアットfusehime.c.u-tokyo.ac.jp

芸術作品分析法II(講義題目:歌曲における韻律の問題)(=超域文化科学高度教養(芸術作品分析法))

水曜2限


  • 授業の概要
    大多数の歌曲の歌詞は韻文になっています。韻文にはすでにリズム(韻律)があるので、歌詞に内在しているリズムと作曲家によって旋律に与えられたリズムの間に複雑な関係が生じることが多い。従って韻律を軸とした分析は歌曲の音楽的構造を理解する上では極めて重要な問題になります。この授業では具体的な歌曲の分析を行いながら、その理論背景を明らかにしたいと考えています。題材となる歌曲の選択についてはできる限り学生自身の希望に従いたいと思いますが、韻律の分析は言語によって違うので日本語の歌曲以外にドイツ語と英語の歌曲を扱いたいと思います。学生から他の言語による歌曲をレポートで扱いたいという希望が出ればそれにも可能な限り応じたいと思いますが、その場合は教員がレポート作成上の問題を解決するのに助けられる範囲が限られているので予めご了承ください。
    芸術歌曲では既存の歌詞に作曲家が作曲する、つまり「付曲」(ドイツ語では「vertonen」)が標準とされていますが、逆に既存のメロディーに歌詞を新たに創作する、または既存の歌詞を既存のメロディーと合わせるなどの方法も、芸術歌曲以外の音楽ジャンルで多く見られます。また歌詞を(同じ旋律をもって別の言語で歌うために)翻訳する時に、各言語の韻律の特徴があるので、特定の問題が生じます。そのような問題もこの授業で扱いたいと考えています。




  • 講義資料