2008年度 比較文化資料研究

講義題目:明治時代の『音樂雜誌』(1890-98)とその周辺


『音樂雜誌』は日本の最初の音楽専門誌で、当時の音楽界を知るには極めて重要な文献である。西洋音楽・日本音楽・明清楽(明と清の時代の中国から伝わった音楽)や、当時の音楽産業・改良楽器・楽譜販売など、また幅広く当時の日本の音楽趣味と当時活躍した人物について読み取ることができる。特に日清戦争が音楽界にどの様に響いたかは興味深い。ただし、言語の面、楽譜の読み取り、文化的背景の理解に関しては必ずしも分かりやすい史料ではない。
この史料(1号~82号+復刻版の解説一冊)全体を把握した上で、学生の関心によってテーマを選び、資料研究の方法を身に付けたいと思う。テーマの選択によって必要な予備知識が違うので、必ずしも音楽の詳しい知識を持っていなくても、誰でも参加できる授業である。


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